【本】吉田修一「怒り」
ちょうど「怒り」という感情について考えている時期に出会った本。
自分自身の怒りをマネジメントするヒントには、ならなかったのですが・・・
むしろ、人を信じることについて考えさせられました。
あらすじ
2011年8月、八王子郊外で殺人事件が発生。現場には「怒」という血文字が書きつけられていた。すぐに容疑者が指名手配されるが、捜査は進展しない。事件から1年が経過した頃、千葉の漁港で働く娘は、来歴の知れぬ男を婿として迎えようとしていた。同時期に東京ではゲイのサラリーマンが住所不定の男と出会い同棲を始め、沖縄の離島のゲストハウスでは、キャンパーをアルバイトとして雇い入れた。指名手配写真にどこか共通点のある3人の男たち。はたして犯人は誰なのか。
最後まで犯人がわからない
3人の男、全員身元不明です。事件当日のアリバイもはっきりしません。3人のうち誰かは殺人犯のはず!
しかし、皆普通に生活し、新しい環境で人間関係を築いていきます。読み進むうち「この人が犯人のはずはない。いい人だし」とか思ってしまいます。ほんとに真面目に仕事したり、人付き合いをしたりしているのです。でも誰かは殺人犯、という不安が付きまといます・・・。
途中で犯人は整形手術を受けているという情報が入るため、容貌も決め手にはならず、利き手も交換できるよね?と考えていくと更に判断できない状況に。
信じた男に裏切られ・・・
「この人を信じたい」「でも信じきれない」という心の揺れが、3人の男を取り巻く登場人物たちと重なって途中から辛かった(-_-;)これはただのミステリーではないです。
人を信じるって一筋縄じゃいかないなあ。
それにしても
ラストは本当に裏切られました・・・
いい人に見えていただけに・・・
最低最悪!極悪非道!
映画は豪華キャストだし、見たいけど・・・
このラストをもう一回見たくないので手を付けてないのです・・・
#怒り#吉田修一